DIABETES CARE
糖尿病の診断・検査と治療
健診で血糖値やHbA1cを指摘された方が、診断から治療、合併症の確認までを順番にご覧いただけるページです。 必要に応じて75g経口ブドウ糖負荷試験(75g OGTT)を行い、インスリンの働きや腎機能なども確認して、一人ひとりに合った治療を考えます。
監修:西本 紘嗣郎(院長)
2026年9月8日更新
糖尿病の診断
糖尿病の診断は、空腹時・随時の血糖値とHbA1c、症状、過去の検査結果などを組み合わせて行います。 HbA1cだけで確定するものではなく、1回の検査だけで診断できない場合には、時期をおいて血糖値とHbA1cを再検査します。
健診結果が「糖尿病型」であっても、それだけで直ちに確定診断となるとは限りません。 症状、糖尿病網膜症、過去の検査結果なども確認し、日本糖尿病学会の診断基準に沿って判断します。
DIAGNOSIS FLOW
糖尿病診断の流れ
患者さん向けの概要「糖尿病型」となる検査値
- 空腹時血糖126 mg/dL以上
- 75g OGTT 2時間値200 mg/dL以上
- 随時血糖200 mg/dL以上
- HbA1c6.5%以上
血糖値とHbA1cを組み合わせて確認します
血糖値とHbA1cが
ともに糖尿病型
同じ採血で両方が糖尿病型の場合
血糖値のみ
糖尿病型
典型的な症状または確実な糖尿病網膜症があれば診断できます。該当しない場合は、別の日に再検査します。
HbA1cのみ
糖尿病型
HbA1cだけでは確定できません。血糖値を含む再検査を行います。
糖尿病の疑いとして経過をみながら、必要に応じて3〜6か月後に血糖値や75g OGTTを再検査します。
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第1章をもとに、当院が患者さん向けに再構成しています。
血糖値
空腹時血糖、随時血糖、必要に応じてOGTTの2時間値を確認します。
HbA1c
直近1〜2か月程度の平均的な血糖状態を反映する指標です。
再検査と総合判断
1回で確定できない場合は再検査し、症状や過去の結果も合わせて判断します。
75g OGTTで詳しく調べる
糖尿病の疑い、境界型、空腹時血糖が正常高値の場合などでは、必要性と安全性を確認したうえで75g経口ブドウ糖負荷試験(75g OGTT)を行います。全員に一律に行う検査ではありません。
空腹時にブドウ糖液を飲み、時間を決めて採血することで、血糖値の上がり方と下がり方を確認します。 当院では負荷前・30分後にインスリンも測定し、初期のインスリン分泌反応を治療方針の参考にします。
75g OGTTの準備・当日の流れ・結果の見方検査結果に基づく治療
食事療法と運動療法を基本に、血糖値、年齢、体格、腎機能、心血管疾患、低血糖の危険性などを確認して、治療目標を個別に決めます。 薬が必要な場合は、作用と注意点をご説明したうえで、病態に合う治療を選択します。
同じ血糖値でも、インスリンが十分に分泌されていない場合と、インスリンが効きにくい場合では治療の考え方が異なります。 必要に応じてインスリンやCペプチドを測定し、HOMA-β・HOMA-IRなども参考に、インスリン分泌能とインスリン抵抗性を評価します。
生活を整える
無理なく続けられる食事、運動、体重管理を一緒に考えます。
状態に合う薬を選ぶ
インスリンの働き、腎機能、併存疾患、低血糖リスクを確認します。
定期的に見直す
HbA1cだけでなく、血圧、脂質、腎機能、尿所見なども追跡します。
合併症の確認と当院の検査統計
糖尿病では、血糖値だけでなく、腎臓、眼、神経、血管などの合併症を早く見つけることが重要です。 当院では、eGFRと尿アルブミン/Cr比による腎機能評価、血圧・脂質・体重の確認、必要に応じたABI検査などを行います。 眼科検査などが必要な場合は、適切な医療機関と連携します。
掲載している統計は、患者識別情報を含まない公開用集計です。当院で検査を受けた方の分布であり、当院の全患者さんや一般人口を代表するものではありません。個別の診断には使用できません。
よくあるご質問
健康診断で血糖値やHbA1cを指摘されたら、すぐ糖尿病と診断されますか?
1回の検査だけでは診断が確定しない場合があります。血糖値とHbA1c、症状、過去の検査結果などを確認し、必要に応じて再検査や75g OGTTを行います。
75g OGTTは誰でも受ける検査ですか?
全員に一律に行う検査ではありません。糖尿病の疑いがあるものの診断が確定しない方、境界型、空腹時血糖が正常高値の方などで、医師が必要性と安全性を確認して行います。
腎臓の検査も必要ですか?
糖尿病では早い段階から腎臓に負担がかかることがあります。当院では血液検査のeGFRと尿アルブミン/Cr比などを確認し、早期発見と進行予防につなげます。
治療はすぐ薬から始めますか?
血糖値、年齢、体格、合併症、低血糖リスクなどにより異なります。食事・運動療法を基本に、必要な場合は状態に合った薬を組み合わせます。
CONSULTATION
健診結果をご持参ください
血糖値やHbA1cを指摘された方は、健診結果や過去の検査結果、お薬手帳をご持参ください。 必要な検査と治療方針をご説明します。