INFLUENZA & COVID-19
インフルエンザ・新型コロナの検査方法・時間・精度
目視式抗原検査、銀増幅技術のIMMUNO AG、AI診断補助のnodocaの違いを解説。PCRとの比較研究と、新型コロナの判定保留について説明します。
監修:西本 紘嗣郎(院長)
2026年11月1日更新
当院で使用する3つの検査方法
| 検査方法 | 調べる仕組み | 判定時間・特徴 |
|---|---|---|
| 通常の抗原検査(目視式) | 鼻から採取した検体のウイルス成分を、試薬の反応で調べます。判定ラインを目で確認します。 | 判定時間は使用するキットによります。指定された時間に判定します。 |
| IMMUNO AG | 鼻から採取した検体を使用します。銀増幅技術で検出の目印を増幅し、装置が自動判定します。 | FluAB・COVID-19/FluABでは最短3.5〜15分。陽性は早く判定されることがあり、陰性の判定は15分が目安です。試薬によって異なります。 |
| nodoca | のどの画像と体温・症状などをAIが解析します。ウイルスそのものを検出する検査ではありません。 | 撮影・情報入力後、数秒〜十数秒で判定します。鼻の採取は不要ですが、撮影時にえずく場合があります。インフルエンザのA型・B型は区別できません。 |
判定時間は受付・問診・準備・待ち時間を含みません。富士フイルム:試薬の仕様 / nodoca公式FAQ
発熱の高さや症状の強さだけでは、ウイルス量や検査で検出できるかは判断できません。発症からの時間、接触歴、検査の目的などを合わせて方法を選びます。
検査の精度の見方
以下は、PCR検査を基準にした研究結果です。当院の患者さんを集計した数値ではありません。
- 感度:PCRで陽性だった方のうち、その検査でも陽性と判定できた割合。
- 特異度:PCRで陰性だった方のうち、その検査でも陰性と判定できた割合。
抗原検査の研究では「陽性一致率」「陰性一致率」と表記されることがあります。下の抗原検査表では原著の用語を併記しています。いずれも、陽性結果が正しい確率・陰性結果が正しい確率そのものではありません。
nodocaとPCRの比較
| 対象 | 感度 | 特異度 |
|---|---|---|
| インフルエンザ(659例) | 76.0% | 88.1% |
| 新型コロナ(判定できた例のみ) | 80.3% | 77.9% |
新型コロナは、評価試験で72.8%が「判定保留」でした。上の感度・特異度は、判定保留を除いた「検出あり・検出なし」の結果に限った数値です。判定保留は陰性を意味しません。保留となる割合は対象集団によって変わります。
そのため、当院では新型コロナを調べる必要がある場合、鼻から採取する抗原検査などをご案内します。nodocaの新型コロナ機能は、インフルエンザ検査に付随する機能です。
出典:nodoca公式FAQ / PMDA:nodoca審査報告書(2022年、p.24)
また、2022年の承認審査で行われた評価では、従来の抗原検査に一定の範囲で劣らないかは確認できていません(非劣性は示されませんでした)。これは、当院のIMMUNO AGと直接比較した結果ではありません。
IMMUNO AGと他の抗原検査の比較
2015年の研究では、131人の鼻腔ぬぐい液を使い、3種類のインフルエンザ検査を同じ条件で比較しました。製品名は対照検査1・2と表示しています。
| 検査 | A型:陽性/陰性一致率 | B型:陽性/陰性一致率 |
|---|---|---|
| IMMUNO AG FluAB | 100% / 96.0% | 86.7% / 98.3% |
| 対照検査1(装置判定) | 83.9% / 98.7% | 73.3% / 98.3% |
| 対照検査2(目視判定) | 75.0% / 100% | 60.0% / 99.1% |
陽性一致率はこの研究での感度に、陰性一致率は特異度に相当します。2015年の特定の試薬による結果であり、すべての目視式キットや、現在のインフルエンザ・コロナ同時検査の性能を示すものではありません。
出典:高橋ら「銀増幅技術を用いたインフルエンザ迅速検査キットの有用性」医学検査 2015;64:737–742
nodocaの試験と抗原検査の研究は別のものです。表の数値だけを横並びにして、検査の優劣を決めることはできません。
結果は診察と合わせて判断します
いずれの検査も、陰性だけで感染を完全に否定することはできません。症状や経過、周囲の感染状況から医師が判断します。追加の検査が必要かどうかも、診察で検討します。
あわせてご覧ください
参考資料は各項目・表の近くに掲載しています。医学情報は2026年11月1日に確認しています。