にしもと内科・泌尿器科・人工透析内科

URETHRITIS & STI

尿道炎・性感染症の検査と治療

排尿時の痛み、尿道からの分泌物、かゆみ、感染への不安がある方へ。 症状がなくても感染していることがあるため、接触状況に合った検査が大切です。

監修:西本 紘嗣郎(院長・日本泌尿器科学会 専門医・指導医)

2026年9月2日更新

URETHRITIS

尿道炎

尿道炎は、尿の通り道である尿道に炎症が起きた状態です。 性感染症によるものでは淋菌やクラミジアが代表的で、感染以外の原因で起こることもあります。

尿道炎でみられる症状

  • 排尿時に痛い、しみる、灼熱感がある
  • 尿道から透明・白色・黄色などの分泌物や膿が出る
  • 尿道の出口にかゆみや違和感がある
  • 精巣の痛み・腫れ、発熱がある

症状だけでは原因を決められません。症状が続く、または繰り返す場合には、 マイコプラズマ・ジェニタリウムなども含めて検査結果と経過から判断します。

TESTING FLOW

尿道炎の検査の流れ

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初尿の採取

男性の尿道炎では、初尿(排尿の最初の部分)を採取します。

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尿道炎の確認

尿検査で白血球などを確認します。必要に応じて淋菌・クラミジアの核酸増幅検査(NAAT)を行います。

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ほかの性感染症を確認

接触状況に応じて、梅毒・HIV・B型肝炎などの血液検査も相談します。 検査時期が早すぎる場合は再検査をご案内します。

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結果説明

外部検査機関で調べる検査は当日には結果が出ません。 結果説明の方法と時期を診察時にお伝えします。

感染直後は検査で捉えにくい場合があります。心配な接触の時期をお知らせください。 検査内容と保険適用の可否は、症状・目的・診察結果によって異なります。

TREATMENT FLOW

尿道炎の治療の流れ

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当日治療か結果待ちかを判断

尿道炎の所見が明らかで感染の可能性が高い場合は、検査結果が出る前に治療することがあります。 安全に待てる場合は、検査結果を確認して治療します。

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原因に応じた治療

淋菌感染症ではトロビシン筋肉注射、クラミジア感染症では来院時にアジスロマイシン1000mgを1回服用します。 重複感染があれば両方を治療します。

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結果で治療を調整

検査結果、感染部位、アレルギー、妊娠の可能性、腎機能などに合わせて治療を確定・変更します。

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改善しない場合を再評価

服薬状況と再感染を確認し、必要に応じて再検査、培養検査、マイコプラズマ・ジェニタリウムなどの追加検査や専門医療機関への紹介を検討します。

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パートナーの検査・治療

男性パートナーは当院で、初尿を用いた淋菌・クラミジアの核酸増幅検査を行います。 状況に応じて梅毒・HIV・B型肝炎の血液検査を組み合わせ、検査結果と診察所見に応じて治療します。

女性では、腟ぬぐい液・子宮頸管ぬぐい液などによる検査や、骨盤内炎症・妊娠への影響を含めた評価が勧められるため、原則として産婦人科の受診をご案内します。 症状がなくても感染していることがあるため、現在または最近のパートナーも受診してください。 ご本人だけの治療では再感染することがあります。

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治癒確認・再検査

感染症の種類、感染部位、症状の経過に応じて治癒確認を行います。 再感染を確認するため、約3か月後の再検査を勧めることがあります。

上記は代表的な流れです。薬の種類・投与方法・治療期間は診断、感染部位、既往歴などで変わります。 このページの薬剤名だけを見て自己治療しないでください。

OTHER SEXUALLY TRANSMITTED INFECTIONS

梅毒・その他の性感染症

性感染症には、尿道炎を起こしやすい淋菌・クラミジアのほか、次のような感染症があります。 尿道の症状が出ない感染症もあり、心配な接触の時期や症状に応じて必要な検査を選びます。

  • 症状はないが、性的接触後の感染が心配
  • 性器・口・肛門のしこり、ただれ、水疱やいぼ
  • 手のひらや足の裏を含む発疹
  • パートナーが性感染症と診断された

SYPHILIS

梅毒の症状・検査・治療

梅毒は梅毒トレポネーマによる感染症です。症状が軽くなったり消えたりしても、 治ったとは限りません。症状がないまま経過することもあります。

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初期にみられる症状

性器・口・肛門などに、痛みの少ないしこりやただれができることがあります。 足の付け根のリンパ節が腫れる場合もあります。

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全身にみられる症状

感染からしばらくして、手のひらや足の裏を含む全身に、痛みやかゆみの少ない発疹が出ることがあります。

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梅毒の検査

診察と血液検査(抗体検査)で判断します。感染から間もない時期は検査で捉えにくいため、 経過に応じて再検査が必要になることがあります。

RPR・TP抗体と結果の見方
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治療と治療後の確認

病期や全身状態に応じて、ペニシリン系などの抗菌薬で治療します。 治療後も血液検査で経過を確認し、必要に応じてパートナーにも検査・治療を勧めます。

妊娠中の梅毒は胎児に影響する可能性があります。妊娠中または妊娠の可能性がある方は、早めに産婦人科または医療機関へご相談ください。

OTHER STI DETAILS

HIV感染症・B型肝炎・性器ヘルペス・尖圭コンジローマ

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HIV感染症

症状:感染初期に発熱、のどの痛み、発疹など風邪に似た症状が出ることがありますが、 症状がない期間が長く続くこともあります。症状だけでは感染の有無を判断できません。

検査・治療:血液検査で確認します。感染から間もない時期は再検査が必要になることがあります。 陽性が疑われる場合は確認検査を行い、専門医療機関と連携します。治療は抗HIV薬を継続し、ウイルスの増殖を抑えます。

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B型肝炎

症状:血液や体液を介して感染し、性的接触でも感染します。症状がないことも多い一方、 急性期には倦怠感、食欲不振、吐き気、褐色尿、黄疸などがみられることがあります。

検査・治療:HBs抗原などの血液検査と肝機能検査で確認します。 結果に応じて追加検査や専門医療機関への紹介を行い、急性・慢性の状態に応じた治療を検討します。ワクチンで予防できます。

B型・C型肝炎の検査と治療を詳しく見る

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性器ヘルペス

症状:性器やその周囲に痛みを伴う水疱やただれができ、排尿時の痛み、かゆみ、 足の付け根のリンパ節の腫れを伴うことがあります。いったん改善しても再発することがあります。

検査:症状と病変の診察を中心に判断します。

当院での内服治療:原則としてバラシクロビル500mgを1回1錠、1日2回、通常5日間服用します。 初発例や症状が強い場合は、状態に応じて10日間まで延長します。発症初期ほど効果が期待できるため、早めの受診をお勧めします。

塗り薬:ビダラビン3%軟膏(アラセナ-A)を病変部へ1日数回塗ります。 塗り薬だけでは十分な治療にならないことがあるため、内服治療を基本とし、塗り薬は軽い局所病変や内服の補助として使用します。

投与量の調整・再発予防:腎機能、年齢、妊娠の可能性などに応じて薬の種類や投与量を調整します。 再発が概ね年6回以上の場合は、バラシクロビル500mgを1日1回継続する再発抑制療法を検討します。

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尖圭コンジローマ

症状:HPV(ヒトパピローマウイルス)により、性器や肛門の周囲に白色、淡い赤色、 褐色などの小さないぼができます。痛みが少なく、数が増えたりまとまったりすることがあります。

検査:病変の形、部位、大きさ、数を診察して判断します。

当院での治療:局所麻酔を行ったうえで、バイポーラ電極という医療機器を用いて病変を焼灼します。 病変の部位・大きさ・数によっては、複数回に分けて処置することがあります。

治療後の経過観察:再診時に、焼灼部位の傷の治り、出血・腫れ・感染を疑う変化、いぼの残存や再発がないかを診察で確認します。 再診の時期は病変の数や傷の状態に応じて個別にご案内します。ご自身でも入浴時などに性器・肛門周囲を確認してください。 再発は特に治療後3か月以内に多いため、新しいいぼや増大に気づいた場合は、予定日を待たずに受診してください。 出血が止まらない、痛みが強くなる、膿が出る、発熱がある場合も早めにご連絡ください。

感染から検査で確認できるまでの期間は感染症ごとに異なります。心配な接触の時期と症状をお伝えください。 必要な検査と受ける時期を個別にご案内します。

MIYAZAKI PREFECTURE PROGRAM

宮崎県の梅毒・HIV無料匿名検査

当院は、宮崎県が実施する「HIV・梅毒予防・検査普及キャンペーン事業」の実施医療機関として県の公式ページに掲載されています。 無症状の方を対象に、期間限定で梅毒とHIVの無料・匿名検査を行います。

  • 実施期間:2026年9月1日から2026年12月末まで
  • 対象:症状のない方
  • 検査内容:梅毒とHIVの血液検査(2項目セット)
  • 費用:無料
  • 申込み:事前予約が必要です。予約時に「無料・匿名検査を希望」とお伝えください
  • 当日:問診と採血を行い、結果をお伝えする日の予約をします

検査件数により予定より早く終了する場合があります。証明書は発行されません。 症状がある方や、検査結果から追加の検査・治療が必要な方は通常の診療となり、 氏名等の確認や診療費が必要になる場合があります。

治療中と治療後に大切なこと

  • 処方された薬は、指示された方法で最後まで使用する
  • 残っている抗菌薬や他人の薬を自己判断で使わない
  • 症状が続く、いったん改善して再発した場合は再診する
  • 感染症の種類に応じて、パートナーにも検査・治療を勧める
  • ご本人と必要なパートナーの治療が完了し、医師がよいと判断するまで性的接触を控える

淋菌などでは薬剤耐性が問題になっています。治療薬は診断・地域の耐性状況・アレルギーなどを踏まえて選びます。

早めの診察が必要な症状

  • 高熱・悪寒、急速に悪化する全身症状
  • 精巣の強い痛みや腫れ
  • 強い下腹部痛・骨盤痛
  • 尿が出ない
  • 妊娠中または妊娠の可能性があり、症状がある

強い症状がある場合は通常の診療時間を待たず、救急医療機関へご相談ください。 女性の帯下・下腹部痛や妊娠中の症状は、婦人科での診察が適することがあります。

よくあるご質問

症状がなくても性感染症の検査は必要ですか?

クラミジアや淋菌感染症などは、感染していても症状が乏しいことがあります。接触状況、経過した日数、検査する部位によって適切な検査が異なるため、心配な接触があればご相談ください。

感染が心配になったら、すぐ検査すれば分かりますか?

感染直後は検査で捉えにくい場合があります。接触した日、接触部位、症状が始まった日をお伝えください。検査時期や再検査の必要性を個別にご案内します。

パートナーも受診したほうがよいですか?

感染症の種類によっては、現在または最近のパートナーにも検査・治療が必要です。ご本人だけを治療すると再感染する可能性があるため、診断に応じてご案内します。

手元にある抗菌薬を飲んでもよいですか?

自己判断で残っている抗菌薬を服用すると、検査結果に影響し、適切な診断や治療が難しくなることがあります。服用前にご相談ください。すでに服用した場合は薬の名前と時期をお知らせください。

CONSULTATION

ご心配なことをそのままお伝えください

症状がある方だけでなく、検査の時期や内容が分からない方もご相談いただけます。 発熱や精巣の強い痛みがある場合は、受診前にお電話ください。