高血圧の診療
当院における高血圧の治療
血圧を整え、将来の脳卒中や心臓病、腎臓病を予防することを目指します。
監修:西本 紘嗣郎(院長)
2026年9月29日更新
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高血圧とは
高血圧は、血圧が高い状態が続く病気です。自覚症状が少なくても、血管や心臓、腎臓などに負担がかかることがあります。
当院では、家庭での血圧、検査結果、持病、生活習慣を確認し、一人ひとりに合った治療を相談します。血圧が高くなる原因を調べることや、無理なく治療を続けられることも大切にしています。
- 診察室での血圧:上が140以上、または下が90以上
- 家庭での血圧:上が135以上、または下が85以上
いずれも単位はmmHgです。1回の測定だけで決めず、繰り返し測った値や家庭での血圧を確認して判断します。
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原因となる病気が見つかる高血圧もあります
高血圧のなかには、ホルモンの異常、腎臓の病気、睡眠時無呼吸症候群などが原因となる「二次性高血圧」があります。原因が見つかると、血圧を下げる治療とあわせて、その病気に対する治療を検討できます。
出典:高血圧管理・治療ガイドライン2025、p.66(本文ページ)
原発性アルドステロン症について
原発性アルドステロン症は、副腎から「アルドステロン」というホルモンが過剰に分泌され、血圧が高くなる病気です。
若いころから血圧が高い方、複数の薬を飲んでも血圧が下がりにくい方、血液中のカリウムが低い方などでは、特に確認が大切です。カリウムが正常でも、この病気が隠れていることがあります。
病歴や服用中の薬、検査結果を確認し、必要に応じてアルドステロンやレニンを調べる血液検査などを検討します。薬が検査値に影響することもあるため、自己判断で薬を中止せずご相談ください。
出典:原発性アルドステロン症診療ガイドライン2021、p.15(PDF 29ページ)、p.16(PDF 30ページ)
院長の研究について
院長の西本 紘嗣郎は、原発性アルドステロン症や、副腎でアルドステロンが作られる仕組みに関する研究に取り組み、研究成果を複数の学術論文として発表してきました。
こうした研究経験も踏まえ、当院では、血圧の高さに加えて原因にも目を向けた診療を大切にしています。
関連する研究論文:副腎でのアルドステロン産生に関する研究(2010年)、アルドステロン産生細胞と遺伝子変異に関する研究(2015年)
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血圧とあわせて、将来の病気のリスクを確認します
同じ血圧でも、年齢、喫煙、脂質異常症、糖尿病、腎臓病、これまでにかかった脳や心臓の病気などによって、将来の病気の起こりやすさは異なります。
ガイドラインでは、血圧とこうした情報を組み合わせ、低リスク・中等リスク・高リスクに分類します。糖尿病、心房細動、蛋白尿を伴う慢性腎臓病、脳や心臓の血管の病気の既往などがある方では、より慎重な管理が必要です。低リスクでも、高血圧を放置してよいという意味ではありません。
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当院でのリスク評価と治療計画
当院では、院内の診療支援システム「Workbench」の高血圧リスク分類ツールを活用しています。登録済みの血圧や病歴などを取り込み、医師が測定条件や不足している情報を確認して評価します。
評価結果をもとに、生活習慣の改善、薬による治療、次回の確認時期を相談します。結果や治療の進め方、CureAppの利用状況などは、患者さんにお渡しできる説明書にまとめます。
ツールは診療を支援するためのものです。最終的なリスク評価と治療方針は、医師が患者さんの状態に合わせて判断します。
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リスクに応じて治療を進めます
生活習慣の改善は、どのリスクの方にも大切です。まだ降圧薬を使っておらず、脳卒中や心臓病などの既往がない方では、次の流れを目安にします。
高値血圧で、低リスク・中等リスクの方
生活習慣を見直し、おおむね3か月以内に再評価します。改善が十分でなければ、生活習慣の改善をさらに進めます。
高血圧で低リスク・中等リスクの方、または高値血圧で高リスクの方
生活習慣を見直し、おおむね1か月以内に再評価します。目標まで下がらない場合は、薬による治療を検討します。
高血圧で、高リスクの方
生活習慣の改善とともに、速やかに薬による治療を進めます。
「高値血圧」は、診察室で上が130~139、または下が80~89mmHgで、高血圧の基準には達していない状態です。すでに生活習慣の改善に取り組んでいる方や、脳卒中・心臓病などの既往がある方は、初めから薬が必要な場合もあります。家庭血圧や体の状態を踏まえ、個別に判断します。
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薬を飲んでいる方も、継続して評価します
降圧薬を飲んでいる方も、再評価できます。家庭血圧、ふらつきなどの症状、服薬状況、腎臓の働きなどを確認し、治療を調整します。
治療前の血圧や病歴も大切にします。薬で血圧が下がったことだけを理由に、もともとのリスクが低くなった、薬が不要になったとは判断しません。薬の変更や中止は、診察で相談しながら決めます。
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目標とする血圧
ガイドラインの降圧目標は、原則として次のとおりです。
- 診察室での血圧:上が130未満、かつ下が80未満
- 家庭での血圧:上が125未満、かつ下が75未満
いずれも単位はmmHgです。高血圧と診断する基準と、治療で目指す値は異なります。血圧の下がりすぎによる症状や腎機能にも注意し、透析中の方などは個別に目標を相談します。
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生活習慣の改善を、続けられる方法で
食塩は1日6g未満を目標に、減塩に取り組みます。体重の管理、無理のない運動、飲酒量の見直しも大切です。
薬を飲み始めた後も、生活習慣の改善を続けます。持病や体力、普段の暮らしに合わせて、続けられる方法を一緒に考えます。
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当院ではCureAppを取り入れています
当院では、医師が処方する「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」を使用しています。スマートフォンを使って家庭血圧を記録し、減塩や体重管理、運動などの生活習慣の改善を支えます。
対象は、体質や生活習慣など複数の要因が関わる「本態性高血圧症」の成人の方です。これまでの生活習慣に関する指導、体の状態、スマートフォンの利用状況などを確認し、使用が適しているか医師が判断します。
降圧薬を使っている方にも、状態に応じて併用できます。定期的な診察で取り組みと血圧を確認し、必要な薬物治療を遅らせたり、自己判断で薬を中止したりせずに進めます。
参考ガイドライン・指針
- 日本高血圧学会:高血圧管理・治療ガイドライン2025(学会の公開案内)。全文を読む。本文p.45–46(血圧の分類)、p.65–68(リスク評価・治療方針・降圧目標)、p.302(生活習慣)。ページ番号は本文に印刷された番号です。
- 日本高血圧学会:高血圧治療補助アプリ適正使用指針 第2版(2026年6月)、p.3–4(対象・使用中の管理)。
- 日本内分泌学会:原発性アルドステロン症診療ガイドライン2021、p.15–16(検査を考える状況・検査への薬の影響)。PDFでは29–30ページに当たります。
このページは、患者さん向けの一般的な説明です。個別の検査や治療は、診察で確認した状態に応じて医師が判断します。研究業績のリンクは、院長の研究歴を紹介するものです。
血圧が気になったらご相談ください
健診や家庭で血圧が高かった方、薬を飲んでいても血圧が安定しない方はご相談ください。家庭血圧の記録、健診結果、お薬手帳があれば、受診時にお持ちください。
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